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「雅を側で守ってやれなくてごめんな。」
「まーちゃん何かあったらすぐに僕達を呼んでね。」
2人とも過保護なくらい雅美を大事に思っている。
ダサくて分厚い眼鏡を提案したのも菖蒲で、魔除けなみの効果を発揮してくれた大事なアイテムである。
3人の時は外して過ごしている雅美の視力はどちらも2,0である。
「有難うございます。」
3人が話し込んでいると部屋の電話が鳴る。
夕飯の準備が整ったとのこと。
「行こう。」
3人はダイニングルームに向かう。
ここはお客様を迎えるときにのみ使われている部屋だ。
普段の和室とは異なり大理石のテーブルにシャンデリアと和洋風な空間になっている。
「まーちゃんはここね」
菖蒲が雅美の隣に座る。
昔からこのスタイルは変わらない。
雅美の隣が菖蒲、菖蒲の向かいに雪人が座る。
「お飲み物はいかがなさいますか?」
使用人の1人が声をかける。
「僕は赤ワイン。あっやっぱり緑茶で」
菖蒲はこの後雅美を送ってくんだったと思い直した。
「2人とも緑茶でいい?」
「俺は良いよ?雅も一緒で良いよな?」
雅美はこくんと頷く。
「ではただいまお持ちいたします。」
使用人は頭を下げ緑茶を取りに向う。
手早くお茶が配られると、別の使用人がスープを運んでくる。
「こちらは本日のスープ、ジャガイモとカボチャのポタージュになっております。熱いうちにお召し上がりください。」
まるで高級レストランのそれである。
「頂きます」
3人は優雅な食事をとる。
テーブルマナーのなんたるかは学園で教わっているのでなんの問題もない。
雅美と菖蒲にとっては、それすら必要ないレベルで、幼いころから叩き込まれた礼儀作法により食べ方も美しいのだ。
食事を終えると部屋へと3人は戻る。
夜7時半を回っていた。
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