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「マーちゃん。今日泊まっていかない?」
菖蒲がそう言うと雪人も頷いている。
「有り難いんだけど、僕帰らないといけないから。」
「結人と約束でもあるのか?」
雪人がつづけると雅美は首を横に振った。
今日から撮影がはじまったので、多分結人は3日間は帰って来ないであろう。
1人きりの部屋より3人のが心強いけど雅美は家にかえることを選んだ。
「じゃあ送ってくいくよ。かわいいマーちゃんが襲われたら大変だもん。」
「結人にぶっ殺されるな。」
冗談ぽく雪人も続ける。
「タクシー呼ぶから大丈夫です。」
「少しでも3人で過ごしたいってことだよ。」
菖蒲はクスッっと笑った。
雅美を可愛いって言う2人の容姿も相当なものだ。
小柄で華奢で大きな目、結人に負けないくらいの美人な菖蒲。
身長が高くスラリとした体格にかっこいいの要素をふんだんに詰め込んだ雪人。
そのうえ2人とも優しくて暖かい心の持ち主で側にいると安心する。
だから人見知りのはげしい雅美も受入れることが出来たのだ。
2人のことが大好きな雅美、せっかくの恋人同士の束の間の時間を邪魔するのもはばかられ、雅美は帰宅を選択したのだ。
「待ってて車出してもらうから」
菖蒲はどこか残念そうに電話をとる。
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