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「鈴音さんもう少し結人に寄り添って
。」
雅美はさり気なく結人の手を繋ぐ。そして結人を見つめる。
「結人には何も言わないんですか」
「良いんだよ。結人は。鈴音に釣られて表情が動く。鈴音が良い表情、仕草をすれば結人も磨かれる。」
「確かに結人幸せそうにしてますね。凄く自然な笑顔だ」
「鈴音さんコレを使って何かポーズをくれないかな。」
雅美に渡されたのは少し大きめな扇子だった。
雅美はそれを受け取る。
「結人。」
そう言って微笑むと扇子越しに頬にキスをしたのだ。
計算づくされたようなアングルの1枚。監督は参りましたと言わんばかりに絶賛した。
その後も順調に撮影は行われた。
初めのピリッとした雰囲気から一変穏やかな空気の中撮影は終わった。
「お疲れさまです。」
「お疲れ様。」
「あー楽しかった。」
結人は幸せそうに笑った。
雅美もニッコリと微笑んだ。
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