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「帰ろうか」
結人が告げる。
「はい。」
2人は肩を寄せるようにしてあるく。
結人はコンビニの前で足を止める。
「鈴音はここで待ってて。」
結人は雅美に扇子で顔を隠すように促して自分はサングラスをかけると店内に入って行った。
そしてさっさと会計を済ませて雅美のもとに戻ってきた。
「変な人に絡まれなかった?」
「大丈夫です。」
「早くかーえろ。」
結人の機嫌はとても良いようだ。
雅美は結人につれられて歩き出す。
「アイス買ってきた。着いたら食べようね」
さっきたらふく食べたというのに結人はまだ食べたりなかったようだ。
そんな結人を見て雅美はクスッと笑った。
「チョコとバニラと買ったんだけどどっちが良い?」
「どちらでも」
「じゃあ半分にしよう」
「あの結人急がないとこの暑さですと溶けちゃいますよ。」
「あー本当だ。急ぐよ」
駆け足気味に結人が歩き出す。そして雅美に振り返る。
「下駄痛くない?溶けても大丈夫だからね。」
他の人相手だったら、お前のせいでオレのアイスが溶けちゃったじゃないか。っと言いそうな結人だが雅美相手だと、こうも変わってしまう。
それだけ雅美が特別で大切な存在であるからだ。
「痛かったらおんぶしてあげるから遠慮しないでいいからね。」
小柄だが、体力には自信がある結人。
小さな頃から父親に鍛えられたこともあり剣道黒帯、柔道黒帯。そのうえ反射神経も良い。
力も強く雅美ぐらいの体系なら、軽く持ち上げることが出来てしまうことは、身を持って体験済である。
「下駄は慣れてますから大丈夫です。ありがとうございます。」
「早く帰って一緒に食べようね。」
結人はご機嫌だ。
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