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「ただいま。」
夜22時を回ったとこ、結人は段ボールを抱えて帰宅した。
雅美の姿が見えない。もう寝てしまっただろうか。結人は雅美の部屋のドアを開けるが雅美の姿はなかった。
こんな遅くになんの連絡もなく雅美が出かけるはずが無い。
そう思っていると、パタンという音がして風呂上がりの雅美があらわれた。
「おかえりなさい。栗原。」
「ただいま雅美。ふふ実物はやっぱり一番可愛いね。」
ニコニコしながら結人は上機嫌だ。
「雅美今日の夕飯何?」
「鰆の西京焼きと、きゅうりの酢の物、かぼちゃの煮物と、牛肉とごぼうのしぐれ煮と御吸い物ですけど、温めましょうか?」
大食家の結人の為に雅美はたくさんの料理を毎日作っている。
「大丈夫自分でやるから。いつも美味しいご飯有難う。温めるついでにレモネード淹れてあげるからソファーに座っててよ」
「でも栗原疲れてるんじゃ?」
「今日は実との絡みだったから楽だったよ。」
実とは結人の左翼で学園時代からプロのモデルとして活躍している結人の幼馴染だ。
「雅美の作る煮物ってうまいんだよね。」
結人はいつにもなく手際が良い。
「はい、雅美風呂上がりの1杯ね」
レモネードを手渡し自分の夕飯もテーブルに並べる。
「頂きます。」
そう言うと淡々と食べ勧めていく。
「美味しい。全部美味しい。」
「口にあって良かったです。」
雅美が微笑む。
天使だなっと結人は思う。
「そうだ雑誌が販売されたんだ。後で一緒に見よう。」
「お疲れさまです。なんか恥ずかしいです。」
「凄く良い写真に仕上がってるから自信持っていいよ。
それで後で手伝って欲しいんだけど。特典でシール入ってるんだ、全9種類で1枚シークレットがあるだ。」
「もしかしてこの段ボール。箱買いしてきたんですか?」
雅美は傍らに置かれた大きな段ボールに目を向ける。
「シークレットが100冊に1枚くらいらしいんだ。どうしても欲しかったから箱買いしてきた。事務所にまだ2箱あるよ」
結人も段ボールに目を向ける。
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