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「雅美。。」
結人の声が遠く聞こえる。
「雅美」
「あっ。」
少し大きな声で呼ばれて我にかえる。
結人が手招きしている。
雅美はゆっくりと誘われるように結人のもとへ近づく。
「何考えてたの?」
ぐいっと抱き寄せられて耳元で囁くような声で問われる。
「な。なにも」
雅美は首を横にふる。
「嘘つきだ」
全て見透かしたように結人は言う。
そして優しく髪を撫でる。
それから少し荒々しく雅美の唇を奪う。
食べられる。。
舌を絡め取られ口腔内を結人に支配されるかのような感覚。
思わず逃げをうつ雅美に、結人は許さないというかのように更に深く唇を貪った。
息ができない苦しさと胸に込み上げてくる感情で雅美の意識が朦朧としてくる。
力強く抱きしめられる腕、結人の体温、結人の少し早く打つ心音。
「雅美だけだよ俺が好きなのは、雅美足りない何度キスしても、何度抱いても、もっともっと、欲しくなる。1秒も離れたくない」
必死な声色。
そうやっていつでも結人は雅美の望む言葉をくれる。
雅美は何度も腕の中で頷いた。
「落ち着いた?」
暫くして結人が訊ねた。
「はい。」
「雅美覚悟して置くんだよ。」
「えっ?」
何を?っと言いかけたそのとき満面の笑みを浮かべて結人は言った。
「帰ったら雅美の足腰立たないくらい抱き潰すから」
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