はじめてのデート

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朝ごはんの準備が整ってところで、大和君がシャワーを終えたのか、洗面所の方から物音が聞こえてきた。 彼のことだから朝食をさっと済ませて、すぐに出かけようと言ってきそうだと思い、私も部屋へ戻って出かける支度を始めることにした。 張り切り過ぎずにとは言っても、社会人としての最低限の身だしなみは必要だから、普段通りのメイクをして、昨日から準備しておいた服に袖を通す。 諒ちゃんからもらったネックレスを首に飾ると、驚くほどワンピースによく似合っていた。 「髪は、上げた方がいいかな……」 仕事以外では髪を下ろしていることが多いけれど、今日は少し暑くなりそうだしハーフアップにしようかな。 でも最近は歳のせいなのか、ハーフアップにすると必ずと言っていいほど白髪が見つかる。 今からそれを、一本ずつ切ったり抜いたりしている時間はないので、考えた末に髪は一つにまとめてお団子にすることにした。 ずっと前に、いつかやってみようとスクショしておいた「誰でもできる簡単」というフレーズのついた髪型のアレンジ方法の中から、髪の長さと服装に合うものを選んでみたけれど……。 「……ここの髪がどうしても垂れてきちゃう。ピンで止めた方がいいかな」 あまり手先が器用ではないので、写真のように上手く出来なくて何度もやり直す羽目になっている。 途中で大和君が部屋に戻ってきた音がしたので、急がなければと余計に焦りが出てきているところに、引き戸の向こうから彼の声が聞こえてきた。
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