性公認の町へようこそ~そうだ、君とラブホへ行きたい~

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~~性と桃源郷(ユートピア)の町へようこそ~~ いまこの町では性交渉が推進されている。 若者の減少・町の過疎化に悩んだあげく、ついに町政は血迷う政策を打ち立てた。 学校での性行為ok、ラブホの拡充とそれに伴う料金の格安化。そして20代~30代の恋人・夫婦の移住限定で、固定資産税、軽自動車などの町税を10年間無償化する。 これは狂気の沙汰ではない。 しかもこの町にほとんどのラブホは町営である。つまり我々の血税なのだ。 ただし性病は控えるべく、衛生面はかなり厳格に制度化している。そしてストーカー、痴漢、強姦など女性の嫌がることはかなり厳しい措置だ。 それに少子化対策が目的のため、風俗はこれまで通り、新たな政策はなにもない。 確かにこれによって町の経済は潤い、若者の移住者は増えた。田舎の土地に多くのラブホが建ち並び、どこを見てもラブホが最低一棟視界に入る。そしてその隙間に作るようにぞくぞくと新築も増えている。 しかしそうなると必然的にある格差が起こる。それはモテ非モテの格差社会だ。 モテる人たちは多くの異性をはべらせて、行為に及んでいる。 しかし非モテの人たちは……。 「なんだよおー! あまりにも酷い話じゃないかあっ!!」 非モテたちによる政策のデモ・反対運動が起き、それでは駄目だと思った彼らは新たな団体・連合を作った。町にはある程度の勢力になる。そしてついに町レベルの新党も結成された。 そして俺もその党の結成に関わった。 これではわれわれ(非モテ)の種の生存が危ない。そう本能が訴えたからだ。 党を結成してからしばらくの時のこと。 俺はそこでの仕事を終え、町の公園を通っていた。すると一人の女性がうずくまっていた。 「大丈夫ですか?」 「お腹が……痛くて……」 俺は急いで病院に連れて行く。 軽度の食中毒だったらしい。一息ついた俺は病院から家に帰ろうとすると、彼女は俺の袖を持って、 「あの……あなたにお礼がしたいのですが、お家にお邪魔して宜しいでしょうか……?」 頭に衝撃が走った。 お・う・ち・に・お・じゃ・ま・し・て・よ・ろ・し・い・で・しょ・う・か…… 頭で何度もその言葉が反芻する。 「そ、それなら……ラブホへはどうですか?」 俺は初めてのことで冷静な判断が出来ず、血迷ったことを言ってしまった。 俺はハッとし、 「いや、ごめん……冗だ……!」 すると彼女は顔を赤らめながら、 「冗談……なんですか?」 俺にはもう断る理由などなかった。頭の中は妄想に膨らみ、血流はもう股間へ集中していた。 そして念願の初ラブホへ彼女と一緒に歩を進めていった。 しかしこのときは知らなかった。 この子がまさか非モテ新党を潰そうと企む町からおくられてきた刺客だったのだ。               完
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