SAVE POINT3 オレの意地と、委員長の秘密

3/4
前へ
/101ページ
次へ
 学校が終わった後、オレは近所の公園にやってきた。  ベンチに腰かけて、体操着入れの中にこっそり入れてきた「ドロップ」を取り出す。  夜に部屋でやるのが怖いなら、夕方に公園でやってしまおう、という作戦だ!  オレは「神社ラビリンス」をまだ諦めていなかった。どんなゲームもクリアしたいから。  それに、あんなに切羽詰まった声を聞いたら、放っておけない。  あんな風に泣いていた昔のオレを思い出す。  何とかしてあげたい。でも、何をそんなに返してほしいのかわからない。「神社ラビリンス」をクリアすれば、わかるかもしれないんだ。  「神社ラビリンス」を起動する。  そのとき、画面から白くて小さな手が出てきて、オレの手首を強く掴んだ。 「ひっ……!」 「退けっ!」  凛とした声がした。 「青宮? なんで……」  夕焼け空をバックに、黒い髪をなびかせた青宮がいた。指には白いカードのようなものを挟んでいる。
/101ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加