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SAVE POINT2 「呪いのゲーム」、やってみた
「さーて、呪いのゲームのお手並み拝見といきますか」
「ドロップ」の画面には、おどろおどろしい書体で「神社ラビリンス」と表示されている。
スタートボタンを押して、ゲーム開始だ!
主人公はごく普通の小学生で、夜になると幽霊が出るという神社に、友達と肝試しにやってきた。
何もいないじゃないか、と帰ろうとすると、通ってきたはずの鳥居がどこにも見つからない。主人公は神社から出られなくなってしまったのだ。その上友達ともはぐれてしまった。
友達を探し出して、神社から脱出せよ! こんな内容のゲームだ。
スタート地点である本殿を探索してみる。
狛犬の前でAボタンを押して調べると、狛犬の写真が画面に大きく表示された。赤く塗られた口が、にたりと大きく笑っている。
主人公が、狛犬の足下に鍵が隠されているのを見つけた。
オレは探索を進めていった。時々、不気味な影が横切ったり、幽霊が追いかけてきたりと結構怖い。雅人はやっぱりこのゲームできないな。
「あれ、脱出のヒント、見つからないなあ」
はぐれた友達全員と、合流することはできた。来るときに一緒にいた三人が、主人公の後ろをついてきている。
しかしどうしたら脱出できるのかがわからない。アイテムがありそうなところは、全部調べたと思うんだけど……。
「ダメだ、今日は終わろう」
夜遅くまでゲームをやらない、というのがうちの掟だ。
引き出しを開けて、「アップルツリー・クエスト」のパッケージを見る。
「すべてのゲームをクリアできるくらいじゃなきゃ、これはクリアできないよな」
これは、アキトのことを考えて作ったゲームなんだよ。
オレにこのパッケージを手渡して、頭をなでる父さんの大きな手を思い出した。
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