SAVE POINT2 「呪いのゲーム」、やってみた

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 ハナヨさんにお金を払って、店先のベンチでパインアイスをかじる。  甘くてすっきりしておいしい。 「おい、緋坂」  低い声で呼びかけられ、アイスをくわえたままふり向く。 「青宮じゃん。委員長でもお菓子食べるんだな」  教室以外で青宮蓮司に会ったのはこれが初めてだ。 「僕が何を食べるかを、勝手に決めつけるな」  青宮は話を続けた。 「緋坂、君はあの『神社ラビリンス』をプレイしたんだろう」 「ええっ! 何でわかるんだよ」 「そんなことはどうでもいい。そのゲームをやめろ」  青宮は、クラスのいたずらっ子に注意するときでも見たことがないくらい厳しい表情をしている。  だがオレは言い返した。 「イヤだね。オレはやり始めたゲームは、絶対にクリアする!」  そうしなきゃ、父ちゃんがくれた「アップルツリー・クエスト」は、きっとクリアできない。 「やめておけ。これは君が立ち入れる領域じゃない」  青宮はそう言い放つと、駄菓子屋を去って行った。
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