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STAGE1 呪いのホラーゲーム SAVE POINT1 ゲーム大好き、オレは緋坂アキト!
ドット絵の忍者が、オレのボタン操作に合わせて動く。
後ろからは追っ手が近づいてくる。
池に入って「水とんの術」のコマンドを選ぶ。
忍者は水の中に隠れて、追っ手は通り過ぎていった。
「池の中に隠し通路があるな……」
隠し通路を通って、その後もいくつかのステージを抜けた。
「よし! クリアっと!」
オレがプレイしていたのは、忍者を操作するアクションゲーム、「音速忍者」だ。
ラスボスの、悪党の親玉の城が変形した巨大ロボットは、撃破に苦戦したな。
だが、やはりこの緋坂アキトにクリアできないゲームなどない!
オレは携帯ゲーム機である「ドロップ」の電源を切って、引き出しにしまう。
引き出しの奥にしまってある、一個のゲームのパッケージが目に入った。
そこに描かれているのは、手をつないでいる二人の少年。背景には青空まで届く巨大なりんごの樹がある。タイトルは、「アップルツリー・クエスト」。
「これを除いては、かな……」
オレは「アップルツリー・クエスト」を、そっとなでた。
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