堕ちる...!?

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「この前もそれ言ってたよね」 「月組の桐乃ヒロトさんの男役としての色気が堪らないんです。相手役の香蘭舞奈ちゃんも、いつもキュンキュンしてますってインタビューで言ってて、リフトとか見てると、羨ましくなっちゃうぐらいで...」 「それ言ってれば、俺が嫌いになってくれるとでも思ってんの?」 この時、二人はプールの端にいて、レイナは壁側にいた。その壁に藤川が手を突き、レイナはまた挟まれた。 「すぐ冷めるほどの中途半端な気持ちで告白したわけじゃないからね。逃げるなら、取っ捕まえるまでだから」 その迫力で、レイナは押し黙った。そしてまた作戦が失敗した、と落胆した。 「それと、この前から思ってるけど、そんなに男慣れしてなくて大丈夫?この仕事、下ネタ扱うなんて日常茶飯事でしょ」 それは確かにレイナの課題だ。小さな事務所である田森法律事務所に舞い込むのは、不倫とその果ての離婚にまつわる依頼が多い。その場合、依頼人との面談で、性生活についての話題が出ることもある。
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