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嘘か誠か。
はたまたどこかから飛び出た噂話か。
クリアした者の願いが一つ叶うと言われるゲームがあった。
その名も『神々の遊び』。
スマートフォン一つで手軽に始めることの出来るアプリである。
カメラに顔を映すと自身の守護神となるアバターが作成され、ゲームが開始される。
ゲーム自体は至ってシンプルで、作成された守護神同士を対戦させて遊んでいく。
流行りのガチャやイベントもなければ、課金も無課金もない。
守護神のステータス等も表示されず、表示されるのは守護神のレベルのみ。
まさに全ては神のみぞしる、といったゲームだった。
基本的にはプレイヤーのやりたいように進めることの出来るゲームであったが、一つだけ、明確なルールが存在している。
それは、一度でも勝負に負けると守護神を失う、いわゆるゲームオーバーというところだ。
一発勝負のスリリングな設定は若者の興味を引くとともに、この『守護神を失う』という部分から巷では『失神ゲーム』とも呼ばれ、度々メディアにも取り上げられていた。
誰が開発したかもわからないこのゲームはアプリが誕生するや否や、若者を中心に瞬く間に人気を博し、当たり前のように世界中に広まっていく。
現在は人々の脳内にインストールされたかの如く、全てのスマートフォンに初期アプリとして搭載され、今や世界総人口の二十代未満を除く約九割がユーザーとなっている。
これだけの利用人数がいるにも関わらず、未だかつてクリアした者がいないことはおろか、クリアの方法を知る者すらいないというのに――。
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