数学の塾の先生

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数学の塾の先生

 ある日、私が通っていた塾が今月でなくなることを知った。 最後の日、 「じゃあね、部活も勉強もがんばってね、バイバイ。」 私が好きな、数学の先生が言った。 そのときもらったメッセージカードに 『1年間、数学を担当できて、楽しかったです。これからも、部活も勉強も頑張ってね、この1年間はいい思い出になりました、これからの学校生活が良いものになるように願っています。』 思はず、私の目からは涙がこぼれていた。 塾がなくなって、1番最初の定期テストで私は100点をとった。 この嬉しさをあの先生にも伝えたい、100点とってね〜って先生が言ったからとったのに、先生は私が100点をとった姿は見届けてくれないんだ。 そのとき、私は複雑な気持ちだった。 そのとき私ははじめて気付いた、気持ちに、あの人のことが好きだったことに。 でも、もう会えない…。 そして私は2年生になった、そのまま2学期になった。 「明日の数学の時間は教育実習生がくるぞ〜。」 「何歳ですか?」 ある男子が聞いた。 「23歳かな〜。」 私は23歳という数字に覚えがった、数学の先生の年齢だ。    数学の時間 「教育実習生の○○です、よろしくおねがいします。」 数学の先生だった、 やっと会えた、思いを伝えよう。    放課後 「せんせ!」 「どうしたのですか?」 「私のこと覚えてますか?」 「もちろん!」 「あの、ずっと伝えたいことがあって、」 「そうしたんだ?」 「せんせのことが好きです!ずっと前から好きでした。」 「俺も好きだよ。」 「私と同じ?」 「そうだね、」 私は人生ではじめて嬉し泣きをした。 「これからもよろしくおねがいします。」 「うん、俺こそよろしくね。」 「ってことは私達付き合ったってことですよね?」 「そうだな。」 そのあと、たくさん時間をかけて、今までに起きたことを話した。 もちろん、100点をとったこともだ。  私はこれからの学校生活を良いものになるように願ってくれた彼のように、彼の幸せが永遠に続くように願うとそう決めた。
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