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帰り道。
俺と雪音は隣り合わせに歩いてる。
「ん」
「え?」
俺は雪音に右手を差し出す。雪音は戸惑ってるみたいだった。
「……いいの?」
「嫌なら別にいい」
「ううん、つなぐ」
えへへ、と笑いながら俺の手を握る雪音。やってみたら、こんな簡単なことだったんだ。
昔は、雪音が俺の手を引くことが多かった。今は小さくなった手が、俺の手の中におさまるくらいでちょうどいい。
「悪かったな……」
「……ううん」
ほんとはまだちょっと恥ずかしいし、またからかわれるんじゃねえかって思うけど。
でも、こうして隣にいれるんだったら、あの頃みたいにたまには素直になってやろうかな。
雪音の嬉しそうな顔を見て、そう思った。
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