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「……それで、志藤くんは、端山さんに手当てされたくなくて避けてるってこと?」
「手当てされたくないっていうか……。自分が情けねえっていうか……」
「あら、どうして?」
俺は拳を握りしめる。
「あいつ、優しいんだ。俺が怪我したらいっつも手当てしてくれて……」
「いい子ね」
「そうだよ、ほんとにいい奴なんだ。でも俺、昔っからあいつに世話やいてもらってるっつうか、……何つうか子供扱いされてるみたいで……」
「……」
「クラスの奴らにもさ、怪我したらいつでも手当てしてもらえるって言われて、正直めちゃくちゃ悔しくてさ。俺ほんとに怪我ばっかしてるからさ。あいつがいねえと、俺はダメな奴だって言われてるみたいで……」
「……」
中峰先生が途中から背中をさすってくれて、何でだろって思った。
俺はいつの間にか泣いていた。
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