好きだと気付いた瞬間

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親友の侑斗と出会ったのは小学生の時に始めたミニバスだった。 それから中学、高校と同じ学校でバスケ部に入部し、キャプテンと副キャプテンだった。 学校では同じクラスには一度もなったことはない。 同じクラスで勉強している風景も見てみたかったが、そんなのはどうでもよかった。学校が終われば部活で会えるし、土日だって部活で会えたからだ。 好きだと気付いたきっかけはひょんな事だった。 俺は容姿がいいらしく女の子に囲まれる事は多々あった。それを毎回助けてくれたのは侑斗だった。 高校一年の頃、 「ねぇねぇ、立花航平君!」 俺をフルネームで呼んだのは親友の澄田侑斗だ。 「なんだよフルネーム…気持ちわりぃな」 「俺さぁ~彼女できた!」 「は!?マジ!?」 いきなり予想もしていなかった事に驚きを隠せなかった。 「マジマジ!」 「マジかよ!誰だよ」 「3組の浅田」 侑斗の彼女となった浅田沙織はムードメーカーで男女問わず友人の多い子だった。見た目も可愛らしい子で彼女を好きだという人をよく聞いたことがあった。そんな彼女をものにした侑斗は流石だと思った。 「侑斗ずるくね?いいなー、俺も彼女欲しいわぁ~」 「じゃあ浅田に誰か紹介してもらう?」 「あー、そうだな」 当時、彼女が欲しかったわけではなかったが彼女が出来たノリで言ってみた言葉に侑斗は本気にした。 その後は女の子を何人も紹介された。可愛い子には可愛い子が集まるなんて言葉を聞いた事はあるがそれはその通りだと思った。実際紹介された子はどの子も可愛かったし何人かと付き合った。 しかし、決まって言われる言葉は『本当に私の事好き?』『私と部活どっちが大事なの!?』だった。付き合った子は申し訳ないが紹介されて仕方なく付き合った子もいる…。部活はそりゃ大好きなバスケだから大事なのは当たり前だ。 改めて思ったが、俺が悪い。彼女達には申し訳なく思った。
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