頼む

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夏休みになってからは塾のバイトを入れたりして少し忙しかった 綾香とは2、3日に1回は会った 排卵日付近だと言われた日は毎日した 多分俺は一生分のセックスを綾香で終えるんだろう 他の人とはもうする気は無い 数週間が経ち、8月が終わる頃 綾香から妊娠したと告げられた 「名前どうする?」 「性別もまだわからないだろ」 「特に付けたい名前とかはないの?」 「綾香に全部任せるよ。俺の役割は終わったし」 「そっか、じゃあ名前とかは私が決めちゃうね。航平、今までありがとう」 「俺の方こそ侑斗だと思わせてくれてありがとな」 「私この子大事に育てるから!この子のこと幸せにするから!」 「あぁ...」 俺の子供......俺の代わりに幸せになれよ お前はちゃんと異性を好きになれよ... それから俺は綾香が流産しないよう気を使った もし流産してしまえばまた振り出しに戻ってしまうから そしてワンピースでは隠しきれなくなる頃 綾香は前に言っていた休学をすることにした 「航平、いろいろありがとうね」 「あぁ。元気でな」 「航平...」 「ん?」 「航平のこと本当に大好きだったよ」 「俺も綾香は好きだよ。これからも女の中では一番だ」 「ありがとう。それだけで充分だよ」 綾香は笑顔で手を振って帰って行った これからは音信不通になり 自然消滅する流れを作らなければならない 綾香も約束を守った、だから俺も最後までやり遂げる。 しばらくして侑斗とバスケをしていた日だった 「なぁ...航平」 「なに?」 「お前さ、綾香ちゃんと最近どう?」 「何が?特に何も無いけど...」 「.........」 なんだ急に...? 綾香はもう遠い田舎の方にいるはず...だよな。 ここで変なことを言うのはやめて話を終わらせよう 「それよりさ、最近出来た店行か....」 「あのさ!!!」 ビクッ! びっくりした... 侑斗は温厚で普段声を荒らげることなんかない... 「あのさ....俺、この間......用があってばあちゃんちの方行ったんだけど.....そこで綾香ちゃん見たんだ...」 「その...お腹が...これって航平知ってる.....の?」 そっか、見たのか..... あーぁ、侑には一番知られたくなかったな... 「あぁ...」 「え!じゃ、じゃああのお腹は航平との!?」 「そうだ...」 それから俺は侑斗に事情を話した 勿論侑斗だと思ってしたことは言ってない 「なんだよそれ!!航平のことちゃんと好きじゃなかったってことじゃん!遺伝子って何だよ!!俺許せないよ!」 「もういいんだって....子供認知しないんだし、今はもう俺は自由だ。なんの問題もない、そうだろ?」 「そうかもしれないけどさ!俺は....やだよ。俺の一番の友達が......汚された。凄く許せない...」 「ほんともういいんだって。それにさ、綾香みたいな可愛くてスタイルいい女に生でして中に出せてさ.....いい思いしてるだろ?ははっ、だから気にすんなって、お互い様だ」 そう、お互い様なんだよ。 俺は綾香をお前だと思ってずっと抱いてたんだ 綾香も綾香だけど、 俺も声出させないで酷いことしてんだよ 「でも、これは誰にも知られたくないからここだけの話にしてくれると助かる....」 「頼む」 「うん...こんなの誰にも言えないよ...」 「ははっ、そうだよな」 その後も侑斗は納得してなかったけど 俺が綾香を庇うから侑斗はそれ以上言わなかった
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