教え子との再会

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教え子との再会

侑斗は病院への定期検査で通院をしている そして俺とはバスケではなく 俺の家で夕飯を食べるという名目で会っている アルコールは適度なら大丈夫らしく 少しだけたまに一緒に飲んでいる そして夜はうちに泊まる侑斗にドキドキしながら毎回過ごしていた 心拍の上がる行為はできない... そもそも俺が好きな事を侑斗は知らない だから毎回心拍が上がっているのは俺だけだ でもうちに侑斗が泊まることが嬉しくて 何より泊まった後はベッドの布団に侑斗の匂いがすることが嬉しかった そして今日も侑斗がうちに来る日、 だがその前に懐かしい人に会った 「先生....?立花先生!」 「ん...?」 名前を呼ばれ振り返ると家庭教師をした子がいた それは俺が初めて教えた当時中3の教え子の月雪 拓馬 「お!拓馬!元気だったか?」 「はい!今の学校でもちゃんと上位です!」 「頑張ってるな!」 ナデナデ 「知り合い?」 「あぁ、俺がカテキョした時の教え子だよ」 「へえー、あ、その制服ってめちゃくちゃ頭いいとこのじゃ.....」 「そそ」 「あ、拓馬!こいつ俺の親友!」 「そうなんですね」 拓馬は元々頭が良かったから俺が教えると すぐに理解してどんどん成績を上げていった 予定の受験先を変更して東京で一番頭のいい高校へ志望校を変えた どんどん成績があがり受験をする頃にはA判定も出ていて 俺の自慢の教え子だ あと、この頭を撫でると凄く喜ぶからつい撫でてしまう... 「あ、悪い。また頭撫でた」 「いえ!先生には撫でられたいです」 「そうなの?」 ナデナデ... 「............///」 「あの、また家庭教師頼めませんか?」 「え?」 「母が立花先生には本当に感謝してて....また来てくれたら嬉しいってこの間も言ってたので....」 「そうなんだ。そうだなー、今塾でも教えてんだけどさ一」 「どこの塾ですか??」 「駅んとこにある進学塾知ってる?そこにいんだけど」 「知ってます!親に言ってすぐに入ります!」 「え、でも今上位なんだろ?」 「僕は立花先生みたいになりたいので!大学も同じところ受けるつもりです!」 「ははっ、俺みたいに?それは嬉しいな」 「絶対行きますから!」 「あぁ、楽しみにしてるよ」 多分拓馬はすぐ来るだろ 塾入ってもすぐに上位になるだろうな 「凄いね!航平に憧れてるんだね!」 「憧れかー、そんな憧れるとこなんかないのにな」 「そんな事ないよ!俺だって航平に憧れることあったよ!航平カッコイイし、頭良いし、優しいし...俺には無いものたくさん持ってるし!」 「なっ!!//////」 「急になんだよ///やめるよ///お前だって充分優しいだろ!」 「航平照れてんの?あはは、可愛いところもあるんだ」 「ばっ、やめろって恥ずい!!!!!!」 「(なんだろ....あの子にはこんな航平知られたくないな.......)」 「どうした?」 「ううん、それよりそろそろなんか買いに行こう」 「おー、そうだな!今日は何食うかー」 (侑斗)この時、俺の中に芽生えたこの感情はなんだったのか分からなかった
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