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提案
それから数日して侑斗はまた入院した
ガラガラガラ
「航平!」
「体調どうだ?」
「うん、今は大丈夫」
「そうか、元気そうで良かった」
今回は通院時に数値があまり良くないことで
検査入院になったらしい
「大袈裟だよね」
「でも何かあってからじゃ遅いから 」
「うーん.........」
ブーッ、ブーッ、ブーッ、ブーッ、
「あ、ヤバ...忘れてた」
「ちょっと電話してくる...」
「おー」
なんの電話か気になったけど
女ではなさそうだから聞かないでおいた
侑斗は菜々さん以来彼女を作っていない
それもそうだ、入院したり制限されることは多くなった
今はそれどころではないのだろう
侑斗には幸せにはなって欲しいけど...
今近くにいるのは自分だけだと嬉しくも思っていた
ガラガラガラ
「はぁ...」
「どうした?ため息なんかついて 」
「今大家さんから電話あってさ、家賃振り込むの忘れてた」
「振込か」
「病院の下にATMあったよね?行ってこないと」
「......」
入院費もあったりするだろうし大変だよな....
「なぁ。うちで一緒に住まないか?」
「え?」
「侑斗が良ければでいいんだけど、入院したりもあるから家賃勿体ねぇなって今思ってさ」
「物置にしてる部屋1つあるからそこ掃除したら侑斗の部屋にできるよ」
「でもそれじゃ航平の部屋が無いだろ」
「俺は別に部屋とかいらない。寝る場所ありゃなんとかなるし。服とかも端に掛けられるやつ買えばどーにかなるだろうし」
「本気...?」
「俺は本気。そーじゃなきゃこんな話しねぇし」
「(確かに家賃が今より減るのは有難い...ろくにバイトも出来ないし...でも悪いよなぁ...もし航平に彼女が出来たら...)」
「お前さ、ろくなこと考えてないだろ」
「俺に彼女が出来たりとか、俺に悪いなとか」
「航平.....怖すぎ。なんでわかるの」
「どれだけ一緒にいると思ってんだよ。そんなこと考えなくていいから!彼女はこの先も作る気ないし、悪いとか今更遠慮すんなよ」
「航平カッコよすぎない...?」
「今更俺の良さに気付いたのか?」
「元から知ってるけどね!!」
「あー、ほんと俺が女だったら航平と付き合いたいよ」
「侑斗が女だったら俺も告ってるわ 笑(ズキッ..)」
有り得ない話を言ってて虚しいけど
それでも俺の彼女になりたいと思ってくれるのは嬉しかった...
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