嬉しさと情けなさ

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嬉しさと情けなさ

俺は落ち着いてから侑斗の所へ戻った 「お待たせ」 「勝手に選んだよ」 「うん」 きっと侑斗が選んだのはキスの前に撮った普通のやつだろう って思ってたのに見た写真は 俺が後ろから抱き締めたやつと 侑斗が頬にキスしたやつと 口にキスしてるやつだった 「これ....!!!///」 「今日はカレカノでしょ?これも記念!!」 「そ、そうか...///」 ヤバい...ニヤける... 侑斗マジ最高だよ これきっとこの先、 何回...いや何万回もっとかな... 一生見るかもしれない どうしよう...好きで溢れる...マジ泣きそう 「航平...次行こう」 「あ、あぁ、そうだな。どこ行きたい?」 「そろそろ夕飯時だから何か食べに行こうか」 「もうそんな時間か.....早いな...」 夕飯は侑斗の食べたいものを食べに行った 侑斗の美味しそうに食べる顔も好きだ きっと今も顔は緩みっぱなしだろう こんな顔を他の人が見ても構わない 今日の俺と侑斗は男と女だ なにもおかしいことはない 「この後どうする?帰る?」 「んー、ちょっと寄り道しない?」 「いいよ」 店を出た後、カップルだらけの公園を歩いた 噂では聞いていたが ベンチにはカップルが座っている 話をしている人、キスをしている人... 周りが気にならないのだろうか... 「あそこ座ろう」 「あぁ...」 なんで侑斗はこの公園を選んだのかわからない ただ話すだけだろうけど 俺の心臓はずっとうるさい... プリクラでキスなんかしてしまったから きっと...期待してるんだ 期待なんかしても意味ないのに... あれは侑斗のイタズラに俺がやらかしただけだ 「航平。今日結構楽しかったよ」 「航平が言い出さなきゃこんなこと一生経験しなかったと思うしいい思い出できたよ」 「俺も楽しかった。一生今日のこと忘れないよ」 「親友とこんなことしないだろうしな。女装なんて嫌だっただろ?付き合わせて悪かったな。俺の我儘も聞いてくれてありがとう」 「...……カレカノの練習できた?」 「.....出来た....と、思う」 女装だとしても...... 侑斗と手繋いで、抱きしめて、キスもしたんだ もう充分すぎる思い出が出来た 幸せすぎた 「俺は...まだ満足してない」 「え?」 侑斗はウィッグを外しユウから侑斗になった 「今度は普通に抱きしめてみてよ」 「え///」 ゆ、侑斗どうしたんだよ... 「今度は俺の我儘きいてくれないの?」 これはユウじゃなくて侑斗だ..... ぎゅっ 「......//////」 バクバク、バクバク.. し、心臓ヤバい...!! 口から飛び出そう!! ユウより侑斗の方が理性がヤバい...////// 「(航平の匂い...///なんか落ち着くなぁ...///また....したいな。してって言ったらどういう反応するかな....)」 「ねえ、またしたい...。キスしてくれる?」 「!!!……え///いいの?///」 「(思った反応と違かった。いいの?ってしたかったのかな///ヤバっちょっと嬉しかも...///)」 「したいって言ってるじゃん...」 「あ、そうか....!じゃ、じゃあ....」 ちゅっ カタカタ... 「(航平震えてる....。やっぱりさっきのは女だと思って勢いだったのかな...俺....どうしたんだろ。こんな航平試すようなことして...俺だってよくわかんないのに)」 「航平?無理しなくていいよ。震えてる...嫌なら嫌って言いなよ。相手男だよ?」 「ご、ごめん....嫌じゃない。そーいう訳じゃないんだ.... 勝手に震えるんだ」 だって...嬉しすぎて震えが止まらないんだ 「ごめんね。そろそろ行こっか」 「......」 何度『好き』だと言いそうになったか... 言ったら終わりだ 今のタイミングの『好き』は本気の好きになる... 俺は逃げたんだ... 気持ちを伝えるよりも、 この先気持ちを伝えずに一緒に居ることを選んだ こんな弱くて情けない俺を 侑斗はまだカッコイイと言ってくれるだろうか 今度は情けなくて泣きたくなった
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