もはや女

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もはや女

入院から一ヶ月した頃、侑斗は退院した 約束通り部屋で出来る筋トレを一緒にした 「.......48、49、50!」 「はぁー!!!50もキツいよ!」 「ほんとに筋力落ちたなー」 「マジで女子かよって感じだよ」 「女子でも100ぐらい出来る子多いだろ」 「えー、じゃあ女の子になっちゃおうかな 笑」 「ブッ、また女装する? 笑」 「それもいいかもね 笑」 「あんな嫌がってたのに 笑」 「もしかしたら女装に目覚めたかもしれない?」 「は?マジ?」 「嘘だよ」 「なんだ 笑」 「(航平はそっちの方がいいのかな...?)」 「航平が女装の俺が好きならまたしてもいいけど...」 「は?何言ってんだ?」 「侑斗は侑斗の方がいいに決まってんだろ」 「女装は見慣れなくてなんかムズムズする...」 「なにそれ」 「よくわかんねーけど、そのままの侑斗がいい」 「...//////」 「今週末どっか行かね?」 「うん!行く!」 ... 週末 「..............」 「あのさ、なんでソレなの...?」 「いやぁー、なんとなく?」 俺は侑斗のままでいいって言ったのに 部屋から出て来た侑斗は女装をしていた しかも...なんか新しいウィッグ買ったっぽくて 学祭で使ったやつとはかなり質の違う めちゃくちゃ良さそうなウィッグを付けている 「(筋力も落ちたから腕も少し柔らかさがあり余計に女の子みたいに見える)」 俺.....今日大丈夫かな... もう既にヤバいんだけど... 「どうかな....?」 「可愛い///新しく買ったんだな」 「うん!次するとしたらいいやつにしようと思ってたから」 またする気満々だったってわけか... なんでそんな女装したくなったんだ? もしかして本当に女装に目覚めた...? 服までしっかり買って... この間よりも...もはや女にしか見えない 「(あー、マジで俺今日大丈夫かな...)」 よく見たら爪までちゃんとやってあるし... 完璧に仕上げてきたな 「じゃあ今から彼女の『ユウ』になります!」 「ん、じゃあ。今日もよろしく」 不安でしかないが、とりあえず手を繋いで出た 「ねぇ...今度これで学校終わるの待っててもいい?」 「え?」 「女避け…..」 「あぁ、いいよ」 「やった♡私の航平に近づかないで〜ってちゃんと見せ付けるからね!」 「はいはい、頼むよ彼女さん」 俺の彼女って見せ付けてもいいのかな... そんな楽しみな事ない 今からその日が待ち遠しかった
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