月一の約束

1/1

48人が本棚に入れています
本棚に追加
/55ページ

月一の約束

携帯に侑斗からの連絡が入り俺は上機嫌で開く。しかし、上機嫌は一瞬で落胆した。大学生になりお互いバイトも始めたがバスケをする日だけはお休みを決めていた。 どうやらバイト先の人が急遽休みを取り代われるのが侑斗だけらしく代わることにしたらしい。流石は優しいなと感心もするが予定をキャンセルされた俺のやる気はどうすればいいのだろうか。 「立花君どうしたの?」 「どした?」 「立花君テンション低い~。綾香が癒してあげるぅ~」 「それ逆効果だろ…。テンション低いならカラオケ行こうぜ」 「伊田君酷くない!?カラオケ行くけどぉ!」 「はっ、行くのかよ!な、立花も行こーぜ」 大学に入ってから友人は数人できたが毎日話すのはこの二人だ。教室に入るなり俺の腕を掴んで密着してる女は廣瀬綾香。大学に入学してから少しして一目惚れしたとかで告白をされたが断った。それでもお構い無しに毎日くっついてくるメンタル強者だ。廣瀬は二重で大き目をしていて可愛くスタイルもいい。多分下手したらそこらのアイドルなんかよりも可愛くていい女だとは思う。 カラオケに誘ってきたもう一人は伊田孝太郎。誰にでも話しかけに行くし実際話しやすい。教室の隅に座っていた俺にも話しかけに来た奴だ。伊田の髪はパーマをかけふわふわしている。目は切れ長で一重。背は俺よりは少し低いぐらいだ。廣瀬が前に伊田は意外にモテると言っていたけど意外にとは失礼だ。コミュ力もあり顔もいいんだ充分モテると思う。 「ん、じゃあ行こうかな。カラオケ」 「やったぁ!私が立花君の隣だからね!」 「へいへい」 「あ、カラオケ行くなら行きたい店がある」 そんなわけで、店は俺が決めた。
/55ページ

最初のコメントを投稿しよう!

48人が本棚に入れています
本棚に追加