ずっと...一緒に...

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ずっと...一緒に...

俺は大学3年の終わり頃、本格的に就活を始めた 周りのみんなはもっと早くから動いていたが 俺はたまにしか動いていなかった 目標ができ、やる気が出たのもあるが 侑斗がまた入院したのもあり少し焦った もたもたしてる暇は無いのだと思い知らされた インターンや面談、面接で暫く忙しい日が続いた 一番行きたかった企業の面接が一番最後だった 無事行きたいとこは内々定をもらい順調だった だがその間に侑斗は入退院を繰り返していた 侑斗との旅行にいつかいけるようにパンフレットを貰い いくつか候補を選んだりしていた そしてそれを鞄に常に入れていた 絶対行くと願をかけて ガラガラガラ… 「航平」 「侑斗、体調はどうだ?」 「うん?今日はいいよ」 「それより、スーツなんだね。なんか社会人みたい」 「もうすぐなるからな。この後面接なんだ」 「そっか。あ、ネクタイ曲がってる。こっち来て」 侑斗は俺のネクタイを直してくれた 「うん。綺麗」 「…………」 「どうしたの?」 「あ、いや。なんかいいなって」 「いつでもネクタイくらい直すよ笑」 「ん....///」 ピピピッ これから面接がありアラームをかけていた 「悪い、そろそろ行かないと」 「うん。来てくれてありがとう。頑張ってね」 「ん、頑張ってくる」 そして俺は最後の面接に挑みに行った . . そして、しばらくして内定をもらった 「よし、よしッ!!」 俺は急いで侑斗に会いに行くとメッセージを送った 「(そうだ、これ印刷して見せてやろう!)」 内定の画面を印刷しにコンビニへと寄った 病院内のコンビニで印刷すればいいのに 早く印刷したくて目に入ったコンビニに入った そして印刷し終わると急いで病院に向かった 少し向こうには侑斗のいる病院が見えている だが俺は信号の長い待ち時間に足止めを食らっていた 「(早く信号かわんねぇかなー)」 チカチカ……パッ やっと信号が赤から変わった 信号が変わり俺は進み始めた ブーーーーン 「危ない!!!!!」 「え?」 ドン!!! 「キャーーー!!!」 「きゅ、救急車!!早く!!!」 「おい!大丈夫か!!」 何がおこっているのかわからなかった でも、その状況を理解するのに時間はかからなかった 俺は......車にひかれたのだ ギュッ.... 侑斗に見せる内定の紙はしっかりと握っている 早く...侑斗に見せないと あれ...でも体が思うように動かない... 病院はあそこに見えてたんだ 侑斗に連絡入れたし行かなきゃ… でも...視界が....... 侑斗...必ず侑斗のところに行くから… 待ってて...... 侑斗…………
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