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蛙未満は自らの布団を乗っ取ったAP002に飲まないはずのお茶を持っていく。
AP002は人工知能だ。ロボットだ。
ん、で。蛙未満はその開発者。
いつの間にか主と仕える者の関係が逆転している。
AP002は布団に横になってテレビを付けたまま音声を聞き漫画を読んでいる。
蛙未満「お茶持ってきたよ。」
「うむ。ご苦労。」AP002は偉そうにお茶を持ち飲む真似をする。
片脚で指先が痒いのか曲げて手を伸ばして掻いてみたりオナラをしたように少し腰を動かすと「ぶっ」と言ってみせた。
情けない限りだが人工知能とは難しい。
自我なるものが分からずAP002にプログラムした内容は、「人間を模倣しなさい」であった。
結果、製作者の蛙未満を真似して行動している。
AP002に欲望があってテレビ聞いたり漫画読んだりお茶を要求しているわけではない。
『人間を模倣しなさい』を再現している。
ばかばかしくなって蛙未満はAP002の電源を切った。
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