赤いお届けもの

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最初は警戒していた小堺くん。リビングまで来ると、興味津々であたりを見まわした。 間取りは同じでも、インテリアが違うだけでだいぶ雰囲気が変わる。ひとり暮らしにしては綺麗にしているつもりだから、俺の部屋は誰に見られても恥ずかしくない。 とはいえ、彼が予想外の客であることには変わりない。 小堺くんとはマンションのエレベーターで鉢合わせしたとき、社交辞令で会話を交わす程度の仲だ。年齢だって10歳近く離れている。本来なら接点などない。 小堺くんが先ほど見た光景をヤバイ事件と受け止め、警察へ駆け込んじゃうかもという危機感さえなければ、きっと一生ただのお隣さんだったはずだ。 そんなワケで不本意ながら段ボールの中身を確認してもらうため、一緒に来てもらった。 ビリビリとガムテープをはがし、荷物を開く。 そこに詰め込まれているものを見て、俺は勝ち誇ったように叫んだ。 「ほらな! 俺の言ったことは正しかっただろ」 「いや鈴村さんコレ、全然胸を張って話せるような代物じゃないです」
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