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 夏休み明けの全校朝会。  まだまだ残暑厳しいなか、校長先生の長いお話をみんな欠伸(あくび)を誤魔化しながら聞いている。  私はぼんやりとステージの垂れ幕の校章を眺めて  『さて、妄想タイムだ』  と、いつものように題材を探した。  今日はどんな妄想しようかな…  妄想なら『そうだ、昨日見たドラマの世界に行こう』とか『大好きなアニメの世界に…』とか『プリンセスの夢の国もいいな』とか、簡単にいろんな世界に行くことができる。  大好きな物語とまた別の物語をコラボさせてみたり、一から物語を作ったり、私は退屈な時間に妄想することが大好きだ。  なので実のところ、校長の話がどれだけ長くてもちっとも苦ではない。    それに妄想はいい。何でも自分の思い通りになる。  例えば、妄想の中では、ひとつない卵肌の可愛い女の子で、スタイルが良くて、みんなから好かれているクラスの女子にだってなれる。  そして、学年一のモテ男で同じクラスの充希(みつき)くんと放課後デートに行くことだってできる。  何でもありなのだ。
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