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「聞こえて…た…よね?」
大和くんが顔を赤くしたまま聞いてきた。
私は、黙ってコクリと頷いた。
「じゃ、バレちゃったし…改めて…」
大和くんはそう言って、私の前にしゃがんで視線を合わせた。
そして「土屋さんが好きです」と左の頬にかたえくぼを作って、はにかんで笑った。
それから直ぐに「返事はいらない。今まで通り友達でいて欲しい…これからも図書館には来てくれる?」と、不安げな顔で私を見つめた。
胸が苦しい。
手が…体が震える。
鼻の奥がつんと痛んで、目頭が熱くなる。
好きな人に告白されるって、こんなに嬉しいんだ…
私も応えたいのに、想いが溢れて、言葉が出ない。
私は、ジワジワと涙が滲む目で大和くんを見つめ返した。
「わた…し……私も…」
「あ、真弓の言ってたことは気にする事ないよ…ただの僻みだよ…」
大和くんはまた、今にも泣き出しそうな私を心配そうに見つめる。
「私も、大和くんが…す…好き……です」
私は最大級の勇気をふり絞って、そう告げた。
大和くんは驚いた顔で「えっ!マジ?」と呟くと、口元に手を当てて、急にぱっと立ち上がり、私に背を向けた。
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