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 「サンキュ!じゃ、LINE交換しよう」  私は黙ってスマホを出した。    大和くんはささっと私のQRコードを読み取って「ゴメン、弁当食って?後でLINEする…俺も弁当食わなきゃだから…」と、教室を後にした。  大和くんが去った後、クラス中がザワついた。    「何々?大和と土屋さん?何で?」    クラスの女子たちが、私の方を見ながらコソコソと話しているのが聞こえた。  充希くんを囲んでいる男子たちもチラチラと私を見て何か話している。  周りからの視線が痛い。  女子が睨んでくる。  私は何事もなかったように装って、また校庭を眺めてミニトマトを頬張った。  口の中で弾けたそれは、思いのほか甘かった。  周りから注目を浴びたことよりも、大和くんの笑顔の破壊力が上回った。  妄想ではなく、私に向けて見せてくれた無邪気なかたえくぼの笑顔は、私の網膜にしっかり焼きついて、私の心を簡単に鷲掴みにした。  話したこともなかったのにさんって名前呼んでくれた…  私に話しかけて来てくれた…    ただそれだけのことが嬉しかった。  私は単純だ。  午後の授業は大和くんとの妄想デートで忙しくなった。  
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