結城都、女子会をする

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「なかでも、あたし達がセンター有力株として見ているのは、轆轤(ろくろ)さんと、神林(かんばやし)さんね!」 「えーと、誰だっけ?」 「『ロクナナ』と『八重(やえ)(ねえ)』って言えばわかる?」  愛菜は支給されたノートパソコンを起動させると、いそいそとキーボードを打って、表示された画面を私に見せてきた。ディスプレイに映っていたのは、派手な髪色の女の子の写真とプロフィール。 「この画面は?」 「これはね、公式で配信されているプロフィールページよ。『チームアメジスト』のメンバーのページのみ、自由に閲覧することが出来るの。リアルタイムで評価が更新されるから、頻繁にチェックした方がいいと思うわ」 「へえ……」    相槌を打ちながら、表示されたプロフィールページを眺める。    ユニコーンカラーのセミロング・ヘアーが圧倒的に目を引くその女の子は、『ロクナナ』こと轆轤奈々(ろくろなな)。  ロリィタ風にアレンジしたスチームパンクファッションは、アニメのキャラクターがそのまま現実世界に命を得たかのよう。ボリューミーなパニエとコルセットのスタイルは、着る人を相当選ぶけど、彼女はそれを完璧に着こなしている。なんと言っても顔が小さい。鼻が高い。顎が細い。目が大きい。  ――うーん。本当に同じ人間かな?    私が感嘆の息を吐いていると、歌乃がぼそっと呟いた。 「この子、絶対整形だよね」  おっと、さりげなく毒を吐いた気がするぞ。  確かにこの尖った顎とか、くっきりしすぎた涙袋とか、怪しい気もするけど。まあ、とりあえず、聞かなかったことにしよう。
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