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その2 小人なの?それとも妖怪なの?
───これは、G氏がまだ小さな子供の頃にあった話です。
あまりに小さい頃だった為、正確な年齢を思い出すことができないのですが、恐らく小学校1年か、あるいは幼稚園の年長くらいだったように記憶しています。
季節は、たしか───秋か、あるいは秋から冬に向かうような時期だったようにも思います。
G氏の実家は古い家で、お茶の間と呼ばれる広い六畳があり、その真ん中に掘りごたつがありましたが、冬以外は穴に蓋をして、その上にちゃぶ台を乗せて正座で食事をしていました。
さて、ある晩のこと、夕食が終わった後に、家族四人で台所に鍋やお皿を持って行って片付けをしている時だったように記憶しています。
台所はお茶の間から少し離れており、廊下を歩いて、二階への階段を通り過ぎた先にありました。
何故、めずらしく家族四人(父、母、姉、G氏)ともに同時に片づけを行っていたのか?
今、思うとちょっと不思議な気がします。
なにせ、G氏の父親はあまり家事をやらない人で、ご飯の後はもっぱら好きなテレビ番組にかじりついていましたから・・・
さて、台所で四人で共同で片付けをしていましたが、G氏の受け持ちの家事(よく覚えていませんが、まだ小さかったので大したことはやっていなかったと思います)が終わったので、一人先にお茶の間に戻ることにしました。
お茶の間は誰もいなかったので、当然テレビは消してあり、誰もいないはずだったのですが・・
廊下を歩き、お茶の間の手前まで来たときに、中から割合に大きな声がするのです。(つまり、普通の人間の男が話すくらいの声量)
ただ、その声は少し甲高く、複数居るようで、声に合わせて、何か笑うような声も聞こえました。
(??なんだろう??)
子供のG氏は、ただ単純にそう思い、廊下からお茶の間に入る真ん中が曇りガラスの引き戸(引き戸といっても重いものでなく、襖のように敷居の上を滑るタイプ)をスッと開けて、いつものようにスムーズに中に入りました。
そして、綺麗に片付いているお茶の間のちゃぶ台の上を見てハッとしました。
そこには、なんと、恐らく背丈が数cm~10cmくらいの小人が3人居たのです!
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