鳥族でうそつき

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「は? 親父さんからは何も聞いてない? 今年初めに祖父さんが死んで、葬式の時に話したんだ」 「え? あのお祖父さん亡くなったの? そうなんだ。最近の流行もんのせいで、お袋が帰ってくるなって言う。だから帰ってない。近所の手前もあるんだろうけど」 「まっ、そういうご時世だ」 「トウマさんから幼なじみだと伺っています。ミドリと言います。よろしくお願いします、マモルさん」  小さな頃の二人の冒険というかバカ話などをマモルが話題にしている。まあ、時効だと思って笑っておく。しばらくしてミドリがトイレに立ったその隙にマモルが僕に言った。 「なかなか可愛い子じゃないか。それにいい子のようだ」 「だろ? 僕には勿体ないくらい。でも、ちょっと変わってるんだよ」 「誰だって少しぐらい変わったところがあって当たり前。おまえもかなり変」  マモルが言ったように長期の休みや土日によく遊んでいた、といっても中学はそれぞれ部活でほとんど会っていなかったのだが。それが高校がたまたま同じで、「あれ?」みたいな出会いからの親友に。彼女ができると必ず会わせてきた。なんだかんだ言いながらも、マモルの(ひと)を見る目の確かさを幾度も体験しているからこそなのである。 「結婚しようと思ってる。彼女の両親にはテレビ電話で挨拶を済ませた」 「ほぉー、ついに落ち着くことに決めたんだ」
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