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五.
「そ、それが、何か?」
そうだ、これがなんだって言うんだ。
死ぬ間際の寝たきりの人間が、毎日見上げてる天井の写真を撮っては、ただの独り言と共に投稿していただけだ。
「いえ、これ自体は特に、どうとすることもできないものなのですが」
「じゃあ、なんですの?
忙しいんです、そろそろお帰り頂け……」
「こちらの、亡くなった蓑崎比奈汰さんのアカウントがフォローしている何人かの中に、こちらの……このアカウント。
これ、Kono-mizmと名乗ってますが、あなたに間違いありませんよね?
稲浦此乃美さん」
此乃美の言葉を遮って、刑事があるアカウントを表示する。
『みんなも一度行ってみてよ!ドバイ、サイコー!』
『暑いの苦手だから南半球で季節逆転!寒ーい!』
『なーんて、今度は南国ハワイで推しブランドコンプしまーす!
そしたらそうだ、次は北極にでも行こうwww』
「こ、これが何よ、あたしがどこに行こうが別に勝手じゃない!
海外旅行に行くのが何か犯罪だっていうの?」
反論する此乃美の額から汗が落ちる。
ちょっと何よ、まさか、此乃美のやつ……!
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