ある所に、ホモの楽園がありました。ちゃんちゃん♪

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「__〈銀闇〉?」 呼ばれて、ハッと気がつく。 「どうした?」 「いや、この書類書き終わったから…」 「ああ、ありがとう」 〈爽風〉がこちらに差し出した書類を、不備がないかジッと見つめる。 この書類は、いわゆる契約書ってやつだ。 同盟を組むって言ったって、ただの口約束では信用ならない。 だから書類にお互いの署名(コードネーム)を書き、血判を押す。 __契約を破った場合は、即座に相手の組織を潰せるように。 「……うん、問題ない。お疲れ」 「はあ〜…。未だに信じられないよ。まさかあの〈常闇〉と同盟なんて…」 緊張が解けたのか、姿勢を崩してソファにもたれかかる。 そんな彼の姿を見て、思わず笑みが溢れる。 「俺だって、無意味やたらに同盟を組もうと思ってる訳じゃないよ。…俺は〈草原〉がいつか、〈常闇〉に並ぶ程の組織になると思ってる」 「…えっ?」 目を見開く〈爽風〉。予想外だと言わんばかりだな。 「俺が何度お前みたいな奴を見てきたと思ってる?将来誰が大成するとか、大体分かるんだよ」 「流石だね…」 口をぽかんと開けている彼が面白くて、「ふっ」と小さく笑う。 唖然としている〈爽風〉。不意に、緑のスカーフを下にずらした。 あらわになる顔。やはりイケメンか。恐らく同年代だろう。 彼は俺の隣に移動したかと思えば、自然な動作で俺の手を取る。 その行動が、まるで王子のようで。顔が赤く染まるのを自覚する。 「…名前は?」 「え、と…。〈銀闇〉だって今さっき言っ「そうじゃない」…え?」 俺の手をじっくり観察するように。〈爽風〉のすらりとした指が、俺の手の上を滑る。 その動作に目を離せず、ただ見つめる。 「そうじゃなくて…。君の本名」 茶色の宝石が、こちらを見つめる。 吸い込まれるように、自然と口に出していた。 「南水樹…。南水樹 風華……」 「風華、ね…」 確かめるように、何度も名前を呼ぶ。 段々と甘みを含んできた声色に、俺の中の冷静な部分が「なんだこれ…」と言っている。 動揺しているのがバレたくなくて、つい話を振る。 「じ、じゃあ〈爽風〉の名前は?」 「…んー?」 曖昧な返事をしながらも、まだ俺の手を弄っている。 __するり。 ふと手を触るのを止めたかと思えば、俺の手に〈爽風〉の手が絡んでいる。 優しく、ふわりと触れるものだから、ピクッと反応してしまう。 …世に言う、『恋人繋ぎ』。
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