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EPISODE3・秘密の小部屋
学校公認の部活動は、部室が与えられている。体育館の裏手に2階建ての建物があって、1階が運動部、2階が女子の運動部と文化部の部室になっている。
私達の演劇部は、2階の真ん中辺り。ドアを開けると中は畳敷きになっている。靴はドア横に靴箱が用意してくれてある。でも小さいから全員分は入らない(笑)
部員が座ると目一杯の狭い部屋だけど、教室とは違う、ゆったりした気持ちにしてくれる雰囲気がいい。
お天気の日は、ミーティングを進めてくれる先輩の誰かが窓を開けて、そこに腰掛けるんだ。
片方の壁には、本棚があって本格的な演劇の脚本集と、諸先輩方が作った脚本並べてある。反対側は、メイク道具とか、ちょっとした小道具が並んでる。こういうの見ると、演劇部だと再認識するよね。
さて、今日は、あの体育館の発声練習はないんだ。でも、活動日だからみんな部室に集まっている。
「みんな集まってるね。そろそろ夏に向けて演目も決めなきゃならないんだけど、その前に、現状把握しないとならないのよ。で、今日は、みんなに手伝ってもらいたいの。これから行く場所に付いてきて。」
そう言われて、私達は、部長に引率されて校舎の中移動したの。
「こっちよ。」
特別棟って言われてる実習室の付いた教室がある校舎の階段を上まで上がっていく。
「この上って屋上しかないですよ、部長。」
「ふふふ。」
部長は、笑うだけで何も言ってくれない。
踊り場について部長は、鍵を取り出し扉を開ける。そこは、確かに屋上だ。何もない。
「校舎の案内図には、この階は、屋上としか書かれてないよね?」
みんな頷いたのを確認してから、部長は、こう言った。
「本当にそうなのかな?」
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