イヤよ嫌よも好きのうち

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子どもが全く薬を飲まない。 「はなじゅるじゅるする」 「げへげほ、やっ!!」 そうでしょう? このお薬を飲んだら、 すぐそれとバイバイできるんだよ? だから、ちょっとだけ我慢して ごっくんしようね? そう言っているのだが、 本人は頑なに口を開かない。 仕方ない。あまり使いたくなかった手を使うか。 「まさくん、おくすり、のみたくない?いや?」 「いやっ!いやっ!!」 その瞬間、目覚めた獣の如く、 開いた口を一瞬で片手で抑えて、 すぐさま薬を飲ませる。 本人は暴れて泣き出したが、 何とか吐き出さず飲み込ませることができた。 これでミッションコンプリートだ。 「いやよいやよも隙のうち、ってね。」 君が嫌いだからやっているんじゃない。 大切だから、やっているんだよ。 これでもう、辛いのとはバイバイだからね。
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