第十四章 異世界で成長できました

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 修道院は、緑に囲まれた静かな土地に、ひっそりと建っていた。古い建物だが、かなり歴史があるそうだ。確かに、趣ある印象である。  迎えに出て来た女子修道院長は、貫禄のある中年女性だった。グレゴールが用件を告げると、彼女はあっさり頷いた。クリスティアンとの間で、完全に話は付いていたらしい。 「では、俺は中に入れないので、これで。終わったら、迎えをよこす」  グレゴールは心配そうにしていたが、男子禁制である以上、いたし方なかった。 「わかりました。ここまでありがとうございました」  グレゴールと別れると、女子修道院長は、早速作業場へ案内してくれた。最小限の家具しか無いがらんとした部屋に、大豆が山と積まれている。 「お世話になりますわ、ハイネマン夫人。では、今から修道女たちを連れて参りますので、よろしくお願いしますね。もう、ビシビシこき使ってやってくださいまし」  ほほほと愛想笑いをすると、女子修道院長は去って行った。 (私がグレゴールの妻だから、媚びているのでしょうけど。でも、何だかあまり感じの良い人じゃないわね……)  しばし待機していると、修道服に身を包んだ若い女性たちが、ぞろぞろとやって来た。ざっと、十名ほどか。先頭の女性と目が合った瞬間、私たちは同時に叫んでいた。 「カロリーネ様!」 「ハルカなの? 何であなたが、また……」  カロリーネは、目をつり上げた。 「というより、それってウェディングドレスではないこと? わざわざ、見せつけに来たってわけ!?」
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