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第二節、Second Story。
そしてその瞬間、僕達はお互いの技が激突しあい、激しい衝撃波が辺りの空間を埋め尽くしていた。
花蓮『ぐ…ぅ……!』
『づっ……あっ!』
お互いの技が相殺して、僕達はそこから弾き出され、そしてお互い地面に着地してから、お互いに武器を構え、本当の戦いが始まった。
第一話『終幕の訪れ』
目の前の花蓮は銃を僕目掛けて何十発も打ち込んできた。
『スペルカード、第慚之式、華座坑。』
花蓮『……っ、』
ひとしきりそれを弾いた後、僕は足に力を込め、瞬時に移動する。突風に目を塞がれた花蓮の後ろに回り、身体ごと蹴り上げた。
花蓮『くっ……あぁっ!!』
花蓮は空中で波動のような何かを出し、空中で体勢をとった。
僕は空中を飛びそこに間髪入れずに攻撃を入れる。花蓮は剣を取り出し、僕達は再び衝突しあった。
花蓮『ずっと不思議に思っていたんだけれど、なんで君は空を飛べる?君のデータはあるけど、空を飛べるなんて情報はなかった。第二次幻想大戦の時以前はね。』
『あぁ、これか。本当は僕は、空を飛べる能力なんてなかった。ただ、あの人に譲り受けたんだ。あの日にな。』
花蓮『あの人って、まさか……』
『ご明察の通り、霊夢の母親、霊奈だよ。』
花蓮『あのクソアマ……ことごとくこっちの邪魔をして……』
『そりゃいつだって社会は信頼関係が必要なんだ。お前の物語には、誰も引っ張られなかっただけの話なんだよ。』
花蓮『戯言だね。』
『どうだかな。』
そして僕らは三、四回斬りあった後、空中に浮きながらお互い構えた。
花蓮『ハハッ、もう少し、もう少しで儀式は完了する。残り十分もない。』
花蓮『流石の君も、余裕はなくなってきたんじゃない?膂力や剣技は確かに君の方が上だけれど、このままぶつかり合っていたら、時間なんてあっという間にすぎるよ。』
…実際、その通りだった。僕には時間がない。神とやらがどんな風に、どういう力を持って出現するかはわからないが、コイツの口ぶり的に、僕らでは敵いそうになさそうだ。
だから早く倒さなければいけないのに、コイツの強さ、思った以上にある。
何をすべきかも、僕が一番よくわかっている。ただ、それに関しては僕はしばらく使っていない。
だからこそ、不安も大きいし、もしかしたら暴発もある。
だが結局のところ、コイツを倒さなければこの世界の何もかもが終わる。
今僕がどうなってでも、コイツは倒さなければならない。
『……能力、開放。』
そう言って僕が刀を横に振ると、次の瞬間、空間が切断されたようになり、一瞬世界が歪んだ。
花蓮『……え。』
その瞬間、花蓮はナイフを咄嗟に出していたが、それすら切断されており、花蓮の横腹は斬れていた。
花蓮『……ッ!!』
花蓮は口を手で塞ぐが、吐血は止まらない。血液が滴り、下の方へ落下していく。
花蓮『…っはー…はー…』
花蓮が深呼吸を二回すると、不可解なことが起きた。出血が止まっていたのだ。明らかに人間だったら失血死レベルの血が出ていたハズだ。ただ今では、吐血も止まっている。あの片目の異変に関連があるのだろうか?
花蓮『一体、何をした?』
彼女にしては珍しく、声を荒げるように尋ねてきた。口元を手で拭い、本当に不可解そうにこちらを見てきている。
『別に、そんな特別なことでもない。ただの僕の能力さ。』
花蓮『能力……そういえば、君の能力は、未だに明らかになっていないけど、今ので更に謎が深まった気分だよ。一体何なんだい?君の能力は。』
別に、今更隠しても意味がないので、僕は素直に言う事にした。
『大まかに言えば、空間に直接干渉できるってことぐらいだな。』
花蓮『空間に直接……?』
『細やかに言えば、僕の能力は無と虚で出来ている。一つの膨大な無と、一つの器としての虚。0と0、掛け算じゃない。それらが合わさった瞬間、僕の能力は想像として成るってことだ。』
『これは確か誰かから名付けられたんだが、神劫って名前でな。あんまり自分的にはそこまで気に入ってはいない。』
花蓮『神劫なんてこれまた、厨ニ臭い名前を……』
『だから僕も気に入ってないって言ったろ。それにしょうがないだろ、名付けたのはアイツだ、し………?』
突如、奇妙な感覚に襲われた。一体、アイツとは誰だ?僕の能力を名付けたのは、一体誰だ?何故今一瞬、アイツの顔が………いや、今は気にするべきことじゃない。
『…まぁ、そんなところだ。これは結構汎用性があるんでな。使いやすさは一流だ。』
花蓮『へぇ、それは見せてもらいたいけど……』
『そんなに焦らなくても、存分に見せてやるよ。』
そう言って僕は右手をソイツの方に向け、親指を立ててから、人差し指を突き出し、固定する。
『スペルカード、第丹之式、零光・急幕。』
そして僕の人差し指の先端に小さな球体が浮かんで、それを僕が弾くように
『バン。』
と言うと、それは巨大な、そして美しい光の閃弾となって、花蓮の方へ向かっていった。
花蓮『は。』
花蓮は一瞬状況が理解できていない様子だったが、すぐに冷や汗のようなものをかきながら急いで横へ避けた。
『あっマズい。』
それは遥か彼方に飛んでいき、やがて僕らが視認できないところまで行った時、それは途轍もない爆発を引き起こした。
『あーあ……これで終わってくれたら、助かったんだけどな……』
そして僕は花蓮の方へ向き直り、こう言った。
『終わらせようぜ、全部。第二ラウンドだ。』
………と。
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