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「まだ死にたくねぇ!!!」
息が荒い、頭が混乱する。ここどこだ?
見慣れた天井の部屋、俺はベットに寝転んでる。
「俺の部屋か…?」
まさか今の全部夢?何もかも?
「良かった…夢で良かった、生きてて良かった」
涙が出そうになる。
なんだよあの夢、太郎がロケットって!
そんなファンタジーみたいな話あるわけないのに。
俺の頭の中どうなってんだ?夏休みボケでもしてんのか?
「はぁ、なんか疲れたな」
全部悪い夢だったんだ、もう忘れようあんな夢。
「水でも飲むか」
階段を降りると母さんの声とよく知った声が聞こえた。
「すごいわね!そんなの作ったの?さすが太郎くんねぇ」
嫌な予感しかしないんだが俺の気のせいだと言ってくれ。
「あら、起きたの。ちょうど太郎くんが来てるわよ」
「あ!大ちゃん!!実はお願いがあるんだけど」
お願いだからその先は言わないでくれ、頼む。
「大ちゃん!一緒に月へ行こう!!」
この無邪気な笑顔に対してこれほどまでに恐怖を感じたことはない。
もちろん俺の答えは決まっている。
「却下だ!!!」
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