第1話 プロローグ(前世の探究)

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第1話 プロローグ(前世の探究)

右腕を切り落とされた「伝説の騎士セルジオ」の前世の記憶を浄化してから二週間程経った頃、私は彼女と会い経過を報告した。 あれから右肩から右腕にかけての痛みは完全には引いておらず湿布薬が欠かせないでいる。 不思議な事だが炎の中でセルジオが切り裂いた(のど)と同じ位置に短剣が刺さった様な傷跡が残っていた。 私の報告を聞いた彼女は打開策を提案してくれた。 「身体に影響が出てからの対処では根本的な解決にはならないんですよね。繰り返し痛みに襲われたり、悪夢が続く場合もあるので・・・・。よろしければ前世から残している感情を引き出して浄化して下さる方をご紹介しましょうか?」 (そんな事もできるのか!それはとても興味深い) 彼女の提案に私は興味を抱いた。 実は彼女に会う今日まで体調管理はできうる限り全て実行していた。 健診では数値に全く問題はなく健康そのものであったし、身体をほぐす為の整体やマッサージもそれまでと同じく週に一度は通っている。 毎日3キロのウォーキングと入浴後のストレッチも欠かさず継続しているし、身体に必要な栄養素を補うサプリメントも勿論、服用している。 それでも身体全体が重く、一向に引かない右肩の痛みに耐える日々を過ごしていた。 自分の行動だけではどうにも解決できないことだと重々承知していた私はこの時、(わら)にもすがる思いだった。 仕事柄、全体像を捉えプロセスを細分化、問題点を可視化する事には慣れている。彼女の提案が現状を打破する問題解決だと思った私はその場で即依頼をした。
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