半分ずつの愛 本文

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 今は、たまたま二人に倦怠期が訪れていて、この辛い時期を乗りこえれば、またあの頃のような、カラフルな日常が戻ってくるのではないか。絶望するには早すぎる、とナナミは思う。 「正直、離婚とかも考えたんだ。そうしたほうが、お互いにとっていいんじゃないかって。今日、ナナミが食事に誘ってくれたから、改めて考えてみた」 「私も離婚については考えてみた。でも、やっぱり、トモヤの気持ちをちゃんと確かめなきゃって思って、今日、誘ったの」 「実際、僕らはもう半年も、こんな状態だろう? 自力で元どおりにするのは、難しいんじゃないかって思うんだ。それに、子供を作るなら、あまりこうやってぐずぐずしているわけにも、いかないだろうし」  それにはナナミも同意見だった。  結婚当初、ナナミはトモヤに、急がなくてもいいからいずれは子供がほしいと伝えていた。トモヤもそれを受け入れたが、なかなか妊娠には至らず、だんだんと夜の営みも減り、この半年は一度もしていない。ナナミはもう三十歳。トモヤの言う通り、あまりぐずぐずはしていられない、とわかっている。
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