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電車から人が流れ出て、こちらが乗り込む番。
すんなりと電車に乗り込めた。人に押し込まれるようにどんどん中へと入っていく。
いつもより遅い電車だったが遅刻することなく学校に到着した。
席に着いたのと同時にホームルームを告げる鐘がなり、担任が教室に入ってくる。
1カ月ぶりだというのに何の違和感もなく時間は過ぎていく。
「それじゃあ今日は以上です。気をつけて帰るように」
荷物をまとめて教室を出ると担任に呼び止められ、空き教室に移動した。
「橋野さん、1ヶ月も休んでどうしたんですか? 何かありましたか?」
「少し体調が悪かっただけです」
「そうですか」
それ以上は言及されずに帰る事ができた。
翌日も駅へ向かいホームで列に並ぶ。電車の扉が開き、人が流れ出て来て、前の人が乗り込み始めたが、再び降りて行く人の流れについて行ってしまう。
また乗れなかった。昨日は何とか乗れたのに。
「大丈夫? 昨日は学校まで行けた?」
またあの駅員さんが声を掛けてくれる。
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