おくすり

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さっきまで笑っていたのに急に冷淡な態度で突き放すような言い方になった。 それからあの子と話をしているとコソコソと何か言っているのが聞こえ、ある日舟木さんに呼ばれて笑顔で去って行ったのはあの子だった。 そこからはいつも一緒に私の陰口を言い、嘲るように笑っている。 1ヶ月ぶりに登校したあの日も 「なんだ、退学したのかと思ったのにね」 「よく今更普通に登校して来られるよね」 そんな声が聞こえたが聞こえないフリをしていた。 そして体育の時間に舟木さんと一緒に笑っているあの子を見て限界に達した。 他のクラスメイトは自分がイジメの標的にならないように私を避けるようになり、1人でいるようになったのだ。 辛かったけれど相談する相手もいない。担任に伝えても悪化するだけだろうから話したくない。 親には迷惑を掛けたくないし、高校もちゃんと卒業したいから我慢すればいいだけ。そうやって必死に堪えてきた。 でも、今日それを思い出して逃げてしまった。今度こそ学校に戻れる気がしない。 夏休みの間に消したつもりだった自分の感情は元に戻ってしまった。
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