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みなおなじ
「いいから帰って」
「そこをなんとか!ねえ、恩に着るから!給食で出たニンジン食べてあげるから!掃除当番三回に一回はかわってあげるから!」
「いらんわ!っていうか恩の着かたがしょぼすぎるわ!帰れ!」
「そんなー」
いまあんたに見放されたら、わたしはどうしていいか…。
「自堕落な夏休みをおくっていたバツよ!せいぜいあしたは恥をかくのね!」
なにも言い返せない。ちきしょう、みんなマンガやプールが悪いんだ。夏休みなんか大きらいだー!い、いやまて。まだ方法がないわけじゃない。たしかあかねちゃんのお兄さんって中一で、去年は同じ六年生じゃないの。もしかして同じ宿題のドリルだったりして…。
「そ、そういえばお兄さんがいたわよね?」
「だ、だめよ!」
「なんでいきなり?」
「こ、ことわられたわ」
「ことわられた?」
「同じドリルだったから見せてくれって頼んだら絶対ダメだって。夏休み宿題もしないでダラダラ過ごしてたやつに見せるドリルはないって…」
「おまえもかーい!」
このバカたれが!宿題やってないのかよ!なに考えて生きてんだ!夏休みに宿題しない小学生がいるのかよ!いやあたしがそれ言う?
「困ったわね…」
「マジどうする」
そうしておたがいポンコツどうし、じっと見つめあったのだった。玄関先を一足はやい秋風が吹いて行った。
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