0人が本棚に入れています
本棚に追加
「と、とにかくなんとかしなきゃ」
わたしたちは手を取り合っていた。
「そうね、じゃなきゃあたしたち破滅よ」
あかねちゃんのその破滅、という言葉が妙にズシリと心にのしかかっていた。
「で、どうする?」
「あかねちゃん、よく聞いて」
「聞いてるわよ」
「もうこうなったら恥も外聞もないわ」
「あんたはとっくにないけど」
いちいちうるさいやつねこんにゃろう。宿題してないおバカのくせに。いやそうじゃない。もうこうなったら最後の手段しかないわ!
「ゆうやくんよ」
「ゆうやくん?クラス委員の?」
「そ。成績優秀のあいつ。ふだんから秀才面してんのが気に入らないけど、あいつに頼めば一気に解決よ」
「なるほど!あいつなら宿題なんか完璧だわよね。でも見せてくれるかな?」
ふふふ、そいつはだいじょうぶ。なんせあいつ、この前プールの帰りのわたしを待ち伏せして告ったんだから。もちろん断ったけど、考え直してもいいって言ったらきっと宿題を見せてくれるわ。そうすりゃまる写しよ!写しちゃったらやっぱり無理ですって言えばいいし。なんてわたしってかしこいのかしら!
最初のコメントを投稿しよう!