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弱みにつけこむのよ
「絶対見せてくれるわ。なんせあいつ、あたしには弱いのよ」
「ももこちゃんすごーい。あいつの弱みを握ってるの?」
「まあね。この前あいつ、あたしに告ったんだから。そいつを利用させてもらうわ」
「え?」
あかねちゃんが変な顔した。なんか嫌な予感。
「どうしたのあかねちゃん?」
「あのさ、あいつこの前あたしにも告ったよ?」
「マジか」
あのやろう!二股かけてんじゃねえよ!
「それにね、みくちゃんとますみちゃんにもだって。それと三組の西本るりちゃんにも」
「ろくでもねえクズだな!死ねばいいのに!」
わたしはもう絶望したよ。もちろん人生にさ。もうなんだってんだよ。いやいやそうじゃないわ!
「ねえももこちゃん、それでもしょうがないじゃない。事情をちゃんと話して宿題見せてもらおうよ」
あかねちゃん、あんたいい子だよ。なんか真っ当でさ。わたしなんだか汚れちゃった。もう学校の雑巾だよわたしは…。
「それしかないわね」
「じゃあいまから行ってみる?ゆうやくんち」
「うん」
もうそれしか方法はないわよね、きっと…。
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