小さい人間について

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小さい人間について

小さい人間  もともとアフリカ大陸の****川流域に生息していた固有種。 XXXX年、K国の考古学者によって発見される。ミニチュアヒューマンと命名され、日本では直訳で『小さい人間』と呼ばれるようになる。名前の通り、その見た目はヒトに酷似しており、発見当時はヒトの民族の一種と思われていたが、その後、遺伝子の解析によりヒトとはまったく別の種に分類されることが判明した。 体長は六十センチほど。その三分の二は上半身で、ヒトとは違って膝と呼べる器官が存在しない。また、頭髪や体毛は生えておらず、白に近い皮膚が常にむき出しの状態になっている。 知能がどれほどなのかは、まだ詳しくわかっていない。 また、消化の仕組みに関しては独自の進化を遂げており、一度食事をすると三日間かけて成分の分解を行うため、食事は三日に一回。 消化と同時に有毒物質は無毒化せずに体に蓄えるはたらきが体内で行われ、毒物を続けて食べたさいは体の組織、血液全体に毒を帯びることも実験において分かっている。 なお、それ以外の点において、ほとんどヒトとの相違は見られない。 発見当時、生息数は百匹に満たなかったが、その二年後、国際機関WHCがクローンの培養に成功し、また栄養価が高いことからわずか一年後には養殖場が世界各地に創設され、〝小さい人間〟は高級食材として人口に膾炙する。 小さい人間はそれに伴い、現在世界大戦下にある世界で問題となっている食糧不足解決の兆しとして、重宝されることになる。
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