そうだペナン島へ行こう

パンフレットと違う

私達夫婦と同じツアーの六人はバスから降りて
　コンビニで飲み物お菓子カップラーメンなどを買っていました。買い物が終わるといよいよバスに乗って人気のホテルに真っ直ぐに行きます。

添乗員さんの声がバスの中に響きます。

「全員乗っていますねー。では出発します。海沿いをバスは走ってそのままホテルに行きます。
では出発です」

　　同じバスツアーの人の目的は皆んな同じです。

　　「東洋の真珠と言われている海どんなに綺麗なんだろう」同じバスツアーの人と私は窓に釘づけでした。しばらくバスが走って行くと添乗員さんは言いました。「もうすぐ海が見えて来ますが〜ほら見えて来ました〜ちょっと汚れているので身体にはよくないので明日朝十時出発の無人島ツアーがお勧めです。

　　無人島だと海が綺麗で魚もたくさん泳いでいます。無人島ではお弁当と沢山の果物を現地の案内人が船で連れて行ってくれます。

　　日本円で一人一万円ですがスノーケルもできて帰りは十六時三十分なのでかなりゆっくりできますよ。

　　海で泳ぐ事も魚に餌をあげる事も沢山のフルーツを食べる事もできます」

　　私達と同じツアーの人は言いました「あの〜旅行会社の人から聞いたんですが〜ここの海は東洋の真珠と言われているって？ホテルの裏の海は泳げないんですか？」添乗員さんは私達に言ったのです。

　「ホテルの裏の海は汚れてるので足首までなら問題ないしホテルには大きなプールもあるのでそちらで泳いでも問題ありませんよ。それに旅行会社の人にも言ったんですが、東洋の真珠と言われてた美しいペナンの海は十年も前の事です」
今は現地の人すら誰も泳いでいないほど汚れています。

　　私達夫婦とツアーの他の人は心の中で「だから安いんだ」と思った事でしょう。

　そしてホテルに着いた時「明日のオプションの無人島クルージングツアーを申し込む人はツアーのパンフレットと酔い止めを渡しますのでお金を用意してロビーに集まってください」

　私達夫婦と大学生三人一人旅で来た社会人の男の人はロビーに集まり一人一万円の無人島ツアーの費用を支払いました。

　ところがこの無人島ツアーも他の旅行会社とは違っていました。私達夫婦はこの無人島ツアーでどこを削って安いツアーになったのか？全てわかったのです。

　私はこのロビーで無人島のお金を払い引き換えにもらったパンフレットの下にこのツアーは冒険です。他の旅行会社とは少し違います。そう書いてある事が気になっていました。

　　私達はこのツアーで本当に冒険する羽目になってしまったのです。