幸運

1/1
2人が本棚に入れています
本棚に追加
/6ページ

幸運

  私がお魚さん達に餌をあげていると、小さな小判鮫が泳いで私に近づいて来ました。ペナン島では小判鮫に好かれると幸運がやって来ると言われているらしいです。   その小判鮫は私が場所を変えてもずっとついて来ます。まるで犬を散歩させてるかのように  他の旅行会社のツアーで来ている人も餌をちらつかせたり小判鮫の近くに行きましたが小判鮫は私しか懐きません。  私が海から出るとどこかへ行き私が海に入ると足の側にくっついているのです。  旦那が「ちょっと海の中でお前泳いでみたら?小判鮫と一緒に泳げたりして」と笑いながら言いました。  私は海の中に入って泳いでみました。すると私の横で泳いでいたのは小判鮫でした。  旦那も近くで泳ぎましたが旦那の側にいた たくさんの観光客にも懐きませんでした。   案内人のタクさんは言いました「お客様が小判鮫に懐かれた光景は数年ぶりに見ました。きっと幸運がやって来ますよ」  他の知らない人もこそこそ話していました 「凄い海でピッタリ小判鮫が横で泳いでる」と 私はいつの間にか注目を浴びていました。  集合時間間近になって雨が降って来ました。  タクさんは「スコールになるかもしれない皆んな船へ」そう言って船に乗り込みました。帰りは勿論、岸から乗って帰りました。  行く時に船から無人島まで泳いだ事も今となってはいい思い出だし、小判鮫と一緒に泳いだのもとてもいい思い出になりました。 完   
/6ページ

最初のコメントを投稿しよう!